ビジネスにおいて、報告書や案内状など文書を作成する機会は多くあります。しかし、「文書の書き方がいまいちわかっていない」「伝えたいことが伝わらない」と、課題を抱えている方も多いのではないでしょうか。そんな方は、文書作成検定で能力を身につけましょう。文書作成検定とは、文書で情報を正確かつ明確に伝える能力を向上する目的で実施されています。こちらの記事では、文書作成検定の特徴と種類、また文書作成能力を身につけるためのポイントをご紹介します。
文書作成検定で資格を取得する目的
文書作成において、情報を正確かつ論理的に伝える必要があります。特にビジネスパーソンは、案内状や提案書など、文書を作成する機会が多いため、文書作成のスキルは必要不可欠です。
文書作成検定は、このようなスキルの向上を目的としています。ビジネスパーソンは、文書作成検定合格に向けて文章作成を学ぶことで、スキルアップを図れます。スキルが上がることで、例えば提案書を作成する際に、論理的に伝えることができ、説得力のある提案書を作成できるようになります。
代表的な文書作成の検定の特徴
ビジネスパーソンのスキルアップに繋がる文書作成検定は、いくつか種類があります。各試験によって、習得できるスキルが異なり、中には文字入力スピードを求める試験もあります。文書作成検定を受験する前に、それぞれの試験内容や特徴を把握しましょう。
文書作成検定の種類
現在、開催されている検定試験は、以下の通りです。
- 日本語ワープロ検定試験
- 文書デザイン検定試験
- 日商PC検定試験
- 文書読解・作成能力試験
- ビジネス文書検定試験
- ビジネス文書実務検定試験
それぞれの試験について詳しくご紹介します。
日本語ワープロ検定試験
日本語ワープロ検定試験は、日本情報処理検定協会が主催の試験です。パソコンの日本語ワープロソフトの有効な利用を通じて、日本語の入力および文書処理能力を身につけるとともに、情報化社会の中でコンピュータ活用能力の向上を図ることを目的として実施しています。
試験内容は、速度、文書作成Ⅰ、文書作成Ⅱの3分野あり、出題内容は速度でパソコンの入力スピード、文書作成Ⅰ、Ⅱは文書作成能力となっています。
開催時期 2月・7月・10月・12月
開催地 全国の学校・パソコン教室
試験時間 速度:10分 文書作成Ⅰ・Ⅱ:20分
級 料金 合格点数
初段 5,000円速度:800文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
1級 3,000円速度:700文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
準1級 3,000円速度:600文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
2級 2,500円速度:500文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
準2級 2,300円速度:400文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
3級 2,000円速度:300文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
4級 1,500円速度:200文字以上 文書作成Ⅰ・Ⅱ:80点以上
参考:日本語ワープロ検定試験(日本情報処理検定協会公式サイト)
文書デザイン検定試験
同じく日本情報処理検定協会が主催の試験です。文書デザイン検定では、図形描写や画像加工など、文書デザインのスキル向上を目的として実施しています。日本語ワープロ検定試験と異なり、入力スピードは出題されません。
開催時期 2月・7月・10月・12月
開催地 全国の学校・パソコン教室
試験時間 1級:30分 2級:30分 3級:30分 4級:20分
級 料金 合格点数
1級 3,000円80点以上
2級 2,500円80点以上
3級 2,000円80点以上
4級 1,500円80点以上
日商PC検定試験
日商PC検定試験は、商工会議所が主催の試験です。ビジネスにおける文書作成や資料作成の能力向上を目的として実施されています。試験内容は、ワードを使った文書作成、エクセルを使ったデータ活用、パワーポイントを使ったプレゼン資料作成の問題が出題されます。
開催時期試験会場により異なる
開催地全国パソコン教室・資格学校
試験時間
1級:270分
2級:165分
3級:135分
ベーシック:60分
級 料金 合格点数
1級 30,870円 70%以上
2級 21,600円 70%以上
3級 15,420円 70%以上
ベーシック8,240円70%以上
文書読解・作成能力試験
文書読解・作成能力検定は、日本漢字能力検定協会が主催する試験です。文章でのコミュニケーション力、論理的思考力の向上を目的として実施されており、ビジネスパーソンや学生など幅広い年齢を対象としています。
試験内容は、基礎力、読解力、作成力の3分野から出題され、漢字の読解や慣用表現の能力も求められます。なお、文書読解・作成能力試験に1級はありません。
開催時期 1月・2月・8月・10月・11月
開催地 全国の学校など
試験時間
2級:90分
準2級:60分
3級:60分
4級:60分
級 料金 合格点数
2級 4,000円 70%以上
準2級 3,000円 70%以上
3級 3,000円 70%以上
4級 8,240円 70%以上
参考:文書読解・作成能力検定(日本漢字能力検定協会公式サイト)
ビジネス文書検定試験
ビジネス文書検定試験は、実務技能検定協会が主催する試験です。ビジネス文書における言葉遣いやマナー、さらには文書の取り扱い方の能力向上を目的として実施されています。
試験内容は、表記技能、表現技能、実務技能の3分野から出題されます。なお、過去には電話の実務試験もありましたが、2019年に実施を終了しています。
開催時期 6月
開催地 全国の指定会場
試験時間
1級:140分
2級:120分
3級:120分
級 料金 合格点数
1級 5,800円 60%以上
2級 4,100円 60%以上
3級 2,800円 60%以上
ビジネス文書実務検定試験
ビジネス文書検定試験は、全国商業高等学校協会が主催する試験です。ビジネスにおける文書作成の知識と技能を兼ね備えた人材を育成する目的として実施されています。
試験内容は、ビジネス文書部門、ビジネス文書部門実技問題、速度部門の3分野から出題されます。文書の種類や言葉使い、さらに表の作成など幅広い知識が問われます。なお、実技試験は1〜3級のみ実施されます。
開催時期 7月・11月
開催地 全国の指定会場
試験時間
ビジネス文書部門:15分 実技:15分 速度部門:10分
級 料金 合格点数
1級 1,200円+800円(実技)ビジネス文書・実技:70点以上 速度部門:700文字以上
2級 1,100円+800円(実技)ビジネス文書・実技:70点以上 速度部門:450文字以上
3級 900円<+800円(実技)/td>ビジネス文書・実技:70点以上 速度部門:300文字以上
4級 700円ビジネス文書:70点以上 速度部門:200文字以上
参考:ビジネス文書実務検定試験(全国商業高等学校協会公式サイト)
評価基準
文書作成検定ごとに、評価基準や合格基準が異なります。たとえば、日本語ワープロ検定試験では、文書作成の能力に加えて、文字入力スピードも求められます。一方、日商PC検定試験では、表作成やプレゼン資料の作成も出題範囲です。文書作成検定試験を受験する場合は、必ず各試験の合格基準を確認しましょう。
文書作成の力を高めるために必要なこと
検定だけでなく、普段の業務においても文書作成能力を培うことは可能です。上述したように、文書作成では情報を正確に論理的に伝えることが大切です。文書作成の力を培うために、以下の5点を意識しましょう。