ビジネスメールの文中に、時折「インラインにて失礼致します」といった一文が書かれていることがあります。
あなたはこの「インライン」についてどれだけ知っていますか?「言葉は知っているけれど、正直よくわからない」という人も多いのではないでしょうか。
また、逆に「インライン」という言葉を知らないけれどこの書式を自然に使いこなしている人もいることでしょう。
今回は知っているようで知らない「インライン」の意味と、ビジネスメールやチャットにおける正しい使い方をご紹介します。
インラインの意味
まず始めに、インラインの意味についてご紹介します。
実際にインラインを使った例文を見てみましょう。
インラインの例
>8月31日のお打ち合わせのお時間ですが、何時からがよろしいでしょうか?
5時からでお願いします。
このような書き方をビジネスメールやチャットにおいてインラインと呼び、インラインとはつまり、相手のメールを引用して回答することをさします。
ちなみに、この書式が「インライン」と呼ばれるようになった由来はIT業界で使われていた「一列に並んだ」、「直列の」という意味の英語から。そこから転じて「対象物を埋め込む」という意味で使われるようになりました。
インライン引用はビジネスでのやりとりの際にとてもよく使われる書式です。メールだけでなく、チャットアプリやビジネスチャットツールなどでも頻繁に使用されています。そのくらいインラインは便利な書式なのです。
それでは、ここからはどうやってインラインを使うのか、またインラインを使うとどんな効果があるのかなどを順にご紹介します。
インラインのメリットと注意すべきこと
インラインのメリットについて
インラインを使うとどのような良い効果があるのでしょうか。ここではインラインのメリットについて詳しくご紹介します。
インラインは質問や意見に返信をする際に便利な形式です。
いつも通りにメールを書くよりもインラインを使ったほうが分かりやすく、かつ回答漏れや認識違いを防ぎやすくなります。
またその他にも、インラインにすることで後日メールを確認したときに一目で経緯を把握しやすくなるというメリットがあります。
他の人から見ても分かりやすいので、複数人で情報共有をするときにも非常に有用な書式と言えるでしょう。
インラインを使うときに注意すべきこと
このようにとても便利なインラインですが、注意すべき点もあります。
まず、インラインでのやり取りが続きすぎると内容が煩雑になるということです。
その場合は混乱や誤解を防ぐため、一からメールを書くようにするとよいでしょう。
また引用自体はマナー違反ではないものの、メールの文面をインラインで引用されることに抵抗感のある人もいます。
ですので、場合によっては冒頭に書いたような「インラインにて返答させていただきます」という断り書きをしておくことをおすすめします。
インラインの使い方
それでは、実際にインラインを使ったメールの書き方をご紹介します。
メール文面例
■メールタイトル:re:明日のお打ち合わせについて
お世話になっております。〇〇株式会社の●●でございます。
本件、ご連絡ありがとうございました。
以下インラインにて返答させていただきます。
>3月3日のお打ち合わせのお時間ですが、何時がよろしいでしょうか?
15時からではいかがでしょうか?
>打ちあわせ前日までに資料のデータをいただけますでしょうか。
承知いたしました。今週中にお送りいたします。
以上ご検討の程よろしくお願い申し上げます。
このように、インラインの頭には「>」をつけて引用するのが一般的です。
また回答が複数ある場合はそれぞれインライン引用し、個別に返信内容を書くようにしましょう。
インライン引用例
>(相手からの)質問、意見
それに対する回答
誤解を避けるため、常にこの順番で記述するようにしましょう。
またインライン引用をする際は、長くなりすぎないよう必要な部分だけを使うようにします。
実際に例文を見てみましょう。
避けたいインライン引用例
>前回のイベントはとても好評でした。次回もぜひ開催したいと考えておりますので、その件についてミーティングをさせていただきたいと思います。
お日にちはいつがよろしいでしょうか?
10月1日でお願いします
正しいインライン引用例
>ミーティングをさせていただきたいと思います。お日にちはいつがよろしいでしょうか?
10月1日でお願いします
このようにインライン引用をする場合はなるべく短く、かつ重要な部分だけを抜き出すようにしましょう。
また、もしインライン引用部分に誤字脱字があったとしてもそのまま引用しましょう。
勝手に文面を変更することで相手の意図しているものと違う内容になってしまい、トラブルの原因となる可能性があります。
まとめ
今回は知っているようで意外と知らないインラインについてご紹介しました。
最近はメール以外にもビジネスチャットなどのさまざまなツールが使われていますが、それでも1人のビジネスマンが1日に送信するメールは平均で11.59通。また38.07通ものメールを受信しているそうです。
1日のうちかなりの時間をメール対応に使っている人も多いのではないでしょうか。
これだけのメールをさばくとなると、重要になってくるのはやはり簡潔さとわかりやすさ。
正確で効率的なやりとりをするために、ぜひインラインを上手に活用してください。
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