ビジネス用語とは
社内や取引先などビジネスの場で使用されるのが、ビジネス用語です。
分からない用語が出てきて、一瞬戸惑ってしまう経験は誰しもあるのではないでしょうか。
例えば、ミーティング(meeting)という用語。
会話上は、「ミーティングで使う書類」、「このあとミーティング」などと馴染み深い言葉ではあるものの、文章上ではMTGと省略されることもあり、知っていなければ伝わらないということがあるのです。
そのため、可能な限り用語の意味の理解と呼び名、一般的に使用されている省略された時の呼び名を把握しておく必要があります。
今回は、ビジネス用語の基礎を解説していきますので参考にしてみてはいかがでしょうか。
いくつ知っている?最低限知っておきたいビジネス用語(英語・カタカナ)
ビジネス用語は大きく分けて、横文字表記、漢字表記の2種類に分類できます。
国語辞典を暗記するようなものなので、全用語をパーフェクトに覚えようとするよりは、自身の周りで飛び交っているビジネス用語を優先して習得していくことが大切です。
1つ1つ習得して自分のものにしていくことが、ビジネス用語をマスターする近道です。
ここでは、一般的にビジネス用語として英語・カタカナで使用されている頻度の高いものを紹介します。
始めのうちはゲーム感覚で、ビジネス用語をいくつ知っているか考えながら見ていくと記憶に残りやすいです。
ア行のビジネス用語
アウトソーシング
業務委託、外部委託、外注などを指します。
社内で必要な総務、経理、人事、情報システムなど専門性の高い各ジャンルで外部の専門家に依頼するのがアウトソーシングです。
社内ですべてまかなうための時間や人件費、ノウハウの構築など全ての面がアウトソーシングにより円滑になる場合に用いられることが多いです。
特に社内の情報システムの導入時などは、ITの専門業者へ業務委託するというケースが多く、PC端末の導入からインターネット回線の接続、セキュリティー管理などすべての面をアウトソーシングでまかなうことができます。
アサイン
割り当て、割り振りのことを指します。
仕事を、チームまたは特定の人物に割り当ててプロジェクトを実施するさいに良く使用されます。主に社内で使用されるワードとなり、「仕事をアサインする」「チームにプロジェクトをアサインする」など、仕事を振り当てする際に使用されます。
本来は「アサインメント」という言葉を略して「アサイン」と使っているのが現状です。
使い方としては、「今回の新しいプロジェクトにアサインました」というのは「今回の新しいプロジェクトにメンバーとして割り当てられた」という意味で利用されます。
また、IT用語としてもOSに周辺機器が接続されている状態や、ドライブに処理を割り当てる設定変更などをおこなうこともアサインと呼ばれています。
アジェンダ
行動計画やスケジュールの事を指しますが、その多くは会議を行う時に利用されます。
会議を円滑に行うために、予定している内容のまとめを事前に提示することをアジェンダと言います。
これから会議で話す具体的な内容はまだ決まっていないので、参加者みんなで考えましょうというニュアンスです。
会議で使われる「アジェンダ」は、これから行う会議の内容をまとめたものです。
例えば、会議の開催時間、参加者、会議の目的や議題など、予定している会議の流れを把握するためのスケジュールです。
また会議の場では「今回のアジェンダは、、」と議題として表現するケースもあります。
アセスメント
ある事象を客観的に評価することをアセスメントと言います。
例えば、会社の中で人材を育成したり部署へ配置したりするにあたり、その人物の適正を客観的に評価することを人材アセスメントと呼びます。
あくまでも客観的に評価するという点から、社内の一定の基準に沿って基準を満たしているかどうかが重要となるため、その評価基準は会社によって異なります。
アライアンス
「同盟」「提携」「連合」「協業」という意味を指します。
ユーザーにサービスを利用してもらう中で、2社以上の複数企業による協力体制を結び、お互いを助けるための協力体制を築くことで安定した運営を続けていくことができる特徴があります。
合併とは違い、一部の事業だけを共同に行うだけなので、多額の資金や人が移動することが少なく、一方の企業からコントロールされたり、契約指針と異なる指示を受けたりするようなこともありません。
レガシーな領域とITを掛け合わせるパターンが多く、物流+ITや、医療+ITなど、今も多くの企業がアライアンスを行なっている現状です。
イシュー
「課題」「議題」という意味です。
社内においては、会議の議題やプロジェクトに関するの課題、または議論すべきテーマや改善策に関する課題などを差して、「イシュー」と言います。
使用例としては、「その案件についてはイシューの特定ができているのか」という上司から確認されるシーンです。
「イシューの特定」とは、議論すべき課題を特定するという意味です。
「今何を考え行うべきなのか」というその論点や課題となるテーマを見定めることです。
さらにビジネス用語では、「クリティカルイシュー」という言葉も使われます。クリティカルには、重要なまたは、危機的なという意味に利用されます。
重要な問題や重大課題といった意味で利用されます。
イニシアチブ
「主導権」という意味で利用されます。
会話としては、「私がイニシアチブを取ってこのプロジェクトを進めます」と、そのまま主導権という言葉に入れ替えて使えばほとんど意味は伝わると思います。
また、主導権をもって物事を進めるということは、「先導する」ことや「率いる」という意味で利用されます。
その他の類義語として、率先・牽引・リーダーシップという言葉も似たようなニュアンスで利用されることがあります。
イノベーション
経済や社会に影響するほどの変革によって「革新」を起こす事をイノベーションと言います。
「技術革新」というニュアンスで使われることもありますが、一般社会に革新をもたらすような「新たな創造や価値」全般を指すときに利用されます。
今までに無かった新しいアイデアや方法、または技術を用いて、社会に影響を与える施策であれば、すべて「イノベーション」として表現されています。
広く使われるイノベーションという言葉には、オーストリアの経済学者シュンペーターによって、以下のように5つに定義されています。
1. 新しい財貨の生産
2. 新しい生産方法の導入
3. 新しい販売先の開拓
4. 原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
5. 新しい組織の実現(独占の形成やその打破)
このうち1つでも当てはまれば、イノベーションと言うことができます。
インセンティブ
意欲を引き起こすための、外部から与えられる刺激のことを指します。
例えば、部下に営業の目標を達成させるために、報酬やボーナスを与えることをインセンティブ(動機付け)と呼びます。報酬やボーナスそのものを表現する場合もあります。
すでに制度として導入している企業では、採用時の募集要項にも給与とは別に、出来高という表現でその金額を記載している場合もありますが、同じインセンティブとして同義に利用されています。
ウィンウィン
ビジネスや取引の場において、両者が利益を得る関係のことを指します。
ビジネスや商売を行ううえで、商品を買った場合にはそのサービスや価値の提供を受けることができますし、当然対価として支払われるお金が売上に繋がります。
ところが、「在庫処分するためにために赤字覚悟で安売りセールをした」という場合、消費者はメリットがありますが、販売しても利益がマイナスになる店舗としては、満足いかない結果となるわけです。
近年では企業と消費者の間の取引だけではなく、トータルウィンという考え方も持ち出されるようになっております。
広告に関するビジネスモデルがその例にあたります。
例えば、テレビ局の場合スポンサーが広告費をテレビ局に支払うことで、番組が制作され、出演するタレントさんにも報酬が入る。テレビを見ている消費者は、ニュースやドラマを見て楽しむことができる。そこでCMとして流され紹介される商品を消費者が購入することで売上につながる。というケースが該当します。
エスカレーション
仕事や業務をしていておこったアクションに対して、当事者が判断ができなければ、リーダーや上司に相談します。このように、段階を踏んでより的確な相手へ判断や指示を仰ぐことを「エスカレーション」と言います。
特にお客様と接点を持つようなコールセンターなどの部署には、何かトラブルが発生した際やイレギュラーな問い合わせが起こった場合は、エスカレーションがフロー化されており、確認が発生したタイミングで、内容に切り分けて担当上席に判断を仰ぐことを行なっております。回答に専門的知識のあるものに対応を変わる場合にも、部署間でエスカレーションされ、専門的回答や事務処理と行うようになっているのが現状です。
エビデンス
根拠・証拠といった意味があります。
プレゼンなど提案を行いたい理由として、その背景にどのような市場や裏付けがあるかなど官公庁が発表しているデータからアンケート集計結果などの資料としてまとめたものを「エビデンス資料」と呼ばれています。
言葉の使い方として「エビデンスベース」という表現を利用するシーンがありますが、「証拠に基づいた」という意味で利用されています。
経理の世界では、「エビデンス」のことを、請求書や領収書として表現されています。
例えば経費精算において領収書を失念してしまった場合は、「エビデンスがない申請は無効です。」というような言われ方をされることがあります。
オーソライズ
「正当と認めること」や「公認すること」という意味で「正式な権限を与えられる」というニュアンスとしても利用されます。
具体例としては、商品を公的な認証機関に通す際が挙げられます。
新聞などのメディアに取り上げられた場合、それらの情報は、「オーソライズされた情報」として社会的な権威や信用が付与されることとなります。
よく似た言葉に「コンセンサス」というものがあります。コンセンサスには「一致・同意」や「総意」という意味で利用され、提示した案に対し、組織からの同意や承認を得る時などに使われます。オーソライズとの違いは、単なる同意ではなく、公式の権威や正式な権限を得る際に用いられる言葉として利用される違いがあります。
オーナーシップ
個人が仕事に向き合う時の姿勢表す言葉です。
仕事を、命じられたからやるという消極的な向き合い方ではなく、自分自身が会社や組織の代表者(オーナー)として意見し、課題について対処するときに主体的に取り組む姿勢のことをいいます。
常に組織がトップダウンで指示し決められたそのまま動いていると、主体的に考え行動し、先を見る力を失ってしまいます。そこで現場から出る意見を汲み取る姿勢が会社にも求められます。
情報共有を現場と行うことで、課題解決できる意見を汲み取り、社員を信頼し、何回も繰り返し行うことでオーナーシップは芽生えてくるでしょう。
オファー
申し込み、申し入れという意味を指します。
例えば、取引先との条件提示や価格や商品の価格提示など、相手方へ条件を提案することをオファーと言います。「仕事のオファーがあった」、「商品契約のオファーがあった」など多様な使い方ができる分、用語を理解していなければ意味が分かりにくい場面もあります。
また、販売者と消費者の間でも、商品の価格や条件を消費者に提示することもオファーに該当します。
会社間のやりとりだけでなく、会社と消費者とのやりとりもオファーという呼び方をするため、幅広い範囲の意味で使用される言葉です。
オポチュニティ
「機会」「好機」という意味です。
似た言葉にチャンスをいう言葉がありますが、普段はどちらかというとこのチャンスをよく使います。
言葉と意味としては同じですが、使われるシーンが違います。
オボチュ二ティは、努力して得た「機会」「好機」のことを指し、チャンスは運・偶然がもたらす、言わばたまたま得ることができた状況として使い分けができます。
例えば人脈から繋いでもらって、キーパーソンとようやく面談することができた。という状態であれば根回しを行い努力した結果得た機会ということで、オポチュニティを得た。というニュアンスで利用することになります。
オンスケ
作業の進捗報告で、予定通りかどうかを伝えるときに「オンスケ」が使われます。
正式には「on schedule(予定通りに)」という表現ですが、それを略してオンスケと利用されています。
「オンスケ」は上司や取引先相手に使っても、特に失礼になる言葉ではありません。進捗の確認し伝達をする際、スケジュール通りに進行されていれば、上司には「現在、オンスケで進行中です」と報告すれば伝わります。
カ行のビジネス用語
キャパシティ
定員、収容能力、許容量、受容力など、「個人または法人が請け負える能力」のことを表します。
作業としてこなせない仕事量を限度を超えて多く抱えた場合に、「キャパシティを超えている」または「キャパオーバー」という表現を使います。
また、ITの分野になると、 ソフトウェアやシステム、またはPCなどデバイスが発揮できる最大の能力のことを意味する時に利用されます。
クライアント
仕事を依頼した人のことを指します。
主に専門の仕事を依頼した得意先のことを指すことが多いです。
発注元のことをクライアントと呼びますが、実際には受注する側としては仕事をいただく位置関係にあるためその際には「クライアント様」と表現することがほとんどです。
IT用語としてもPCのネットワーク上でサービスを受ける側にあるシステムのこともクライアントと言います。逆にサービスを提供する側はサーバーと呼びます。
また、広告業界では商品やサービスの広告を希望する製造業者のこともクライアントと言います。非常に多くの場面で出てくるワードです。
クロージング
物事を終える最終段階のことを指します。
よくある利用シーンとしては、長らく進めていた商談や交渉ごとが契約締結という最終局面になっていることをクロージングする。と表現されます。
使い方としては、
「例の案件は今月中にクロージングします」というのは、まだ契約に至っていない案件を「今月中に契約成立させます」という意味で利用されます。
その他契約が完了したと別の使い方として、契約までの過程をクロージングと表現する場合もありますし、契約が成立しなかった場合も、失注でクロージングした。と表現されることもあります。
コミットメント
「約束」「責任」「(真剣な)関わり」という意味です。
「結果にコミットする」というように、言葉は略した形で「コミット」と使うケースが多いです。
フレーズの意味は、「結果を約束します」「結果に責任を持ちます」「成功を約束する」といったニュアンスとして利用されます。
最近は、コマーシャルの影響もあって、多く使われるようになりましたが、決意表明のような意味も含むので、言葉としては重いものであると言えます。
コンセンサス
企業や部署・組織など、複数の人によって合意することを示す言葉です。
「全員の同意を得ている」ということを強調する場合に使うことが一般的です。
企画やプロジェクトを進めていくうえで、関係者への段取りや根回しをすることが大切になります。
また企業間でも関係先に事前交渉をして、プロジェクトが円滑に仕事が進むように図ることもしばしば見受けられます。その時の言い方として「関係者のコンセンサスをとる」といった表現で利用されます。
コンプライアンス
企業は、常に決められたルールに従って公正、公平に業務を遂行する法令遵守のことを指します。
市場で勝ち続けなければならないという状況の中、会社が経済的に潤う思考が先行し不正行為を働いてしまうことがよくニュースでも取り上げられています。
「脱税」「粉飾決算」「インサイダー取引」「食品偽装」「薬事法違反」「過労死」「賃金不払い」「加重労働」などがコンプライアンス違反として取り上げられることが多いです。「個人情報流出」などのインシデントも、過失があった例として、コンプライアンス体制に問題がなかったかなど問われるケースが多いです。
「コンプライアンス重視する」というのは、会社として最低限のルールですが、一部の社員または社長が行なったたった一度の行為で、会社の信用を大きく失墜させてしまうことになるので、細心の注意と教育、その体制が必要とされています。