新型コロナウイルスの影響を受け、多くの人の働き方が変わりました。
それでも最近は、少しずつお客様と対面することも増え、会食の場を設ける機会も再開されたのではないでしょうか?
少し前まではお客様との会食といえば会食後にお礼状を書いて送るというのが一般的でしたが、最近ではラフな会食も増えたため、毎回の会食のたびにお礼状を郵送するなど、かしこまったお礼をすることも少なくなったと思います。
しかし、おもてなしをしていただいたお礼を伝えたいと感じるのは良いことですし、相手にとっても喜ばしいことです。
この記事では、あまり堅苦しくなくメールを読むことによって親しみが感じられるようなスタイルのお礼メールの書き方やマナーを説明したいと思います。
すぐに使えるお礼メールの例文も用意いたしましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
お礼メールのマナー
お礼メールは、おもてなしをしていただいた相手に感謝の気持ちを伝えるために送ります。
接待を受けた場合以外にも、会社に訪問させていただいた場合や新規注文をいただいたときなどにもお礼メールを送る必要があるでしょう。
お礼メールは、文書で作成するお礼状のように時候の挨拶などは必要ありませんが守るべきマナーはあります。
まずはお礼メールのマナーについて理解しましょう。
メールでのお礼は略式であることを理解しておく
この記事で紹介するのはメールを使った会食に対するお礼の方法であり、その中でもあまり堅苦しくないスタイルの文面です。
しかし、本来であれば会食に対するお礼は書面で作成し、郵送するものであることは理解しておきましょう。
会食のスタイル・参加した方の役職・お互いの関係によっては正式なお礼の方法である書面のお礼状を選択しなくてはいけません。
自分で判断をすることが難しいと感じるのなら、最適なお礼状のスタイルについて上司に相談してみましょう。
会食のお礼メールは翌朝までに送る
お礼メールは会食後すぐに送るのがマナーですが、会食が夜にあった場合には当日中のメール作成が難しいでしょう。
その場合には翌日なるべく朝早い時間にお礼メールを送るようにしてください。
会食を開いた側の立場の方は早い段階でお礼をもらえると、より強く感謝の気持ちを感じられるのです。
夜の会食であれば、翌日の朝先方が出勤してメールボックスを開くと、お礼メールが届いているというのが理想です。
どうしても翌朝までにメールが送信できないのなら、最悪でも翌日中にはメールを送りましょう。
接待した側だとしてもお礼メールを送る
お礼メールは接待を受けた側だけが送るものではありません。
自分が接待をした側だとしても、相手の貴重な時間をいただいたと考えなくてはいけません。
つまり接待をした立場でもお礼メールを送る必要があるのです。
相手からのお礼メールが先に届いてしまうかもしれませんが、自分もなるべく早くメールを送るようにしましょう。
接待の協力者にもお礼メールを送る
接待には自分の会社に協力者が必要な場合があります。
特に先方に役職のついた人がいる会食は、自社側も役職のある社員に協力してもらうことで、先方を敬っているという気持ちが伝えられるためです。
お礼のメールは先方に送るだけでなく、自社内の協力者にも同様の方法とマナーを守って送りましょう。
もちろん、口頭でお礼を述べることとお礼メールとは別に考える必要がありますので、お礼メールを送ったからといって、口頭でお礼を言わなくて良いと考えてはいけません。
協力者に当日・翌日口頭でお礼を伝えた後、先方にお礼メールを送るときに自社内の協力者にも一緒にお礼メールを送るという流れが良いでしょう。
接待に対するお礼メールのポイント
接待に対するお礼メールだけに言えることではありませんが、お礼メールには守るとより効果が得やすくなるポイントがあります。
そのポイントを活用すれば、相手により感謝の気持ちが伝えられるようになるため、覚えておきましょう。
お礼メールはスピードが大事!
先ほどのお礼メールのマナーでもお伝えしましたが、少し大袈裟に言えば「お礼メールは早いほど良い」ものです。
特に、その集まりが複数の企業が参加するような規模のものだった場合、いくつもお礼メールを受け取る方にとっては「お礼メールが早かった方がA社のAさん」「お礼メールがAさんの後に来たのがB社のBさん」という印象を作ってしまうこともあるのです。
丁寧にメールを作成したい気持ちも分かりますが、相手に会食の余韻が強く残っているうちにお礼を送るべきなのです。
パソコンを使えない状況なら短文でも良い
出張中などの場合でパソコンが当日や翌朝に使用できないようなタイミングの場合も、お礼メールを後回しにするのは良くありません。
スマホを利用して可能な限り時間を開けずにお礼メールを送りましょう。
スマホでは長文の入力が難しく、相手が確認したときに文中の不自然な部分で改行がされてしまう場合もありますので長文である必要はありません。
短文になってしまってもスピード感を重視し「簡単ですが、メールにてお礼申し上げます」などの一言を添えましょう。
ただし、会食後何日も経過してからお礼メールを送る状態になってしまったときには、短文メールは失礼と感じられる可能性がありますので、パソコンを使って丁寧な文章のお礼メールを送ってください。
定型文と感じられないような文章を心がける
お礼メールは複数回送信するもので、多い方なら週に何回もお礼メールを作成するでしょう。
メール作成が面倒だからといって、何度でも使用できるような文章で作成すると「定型文を送った」印象が強くなってしまい、せっかくお礼メールを送っても相手に感謝の気持ちは伝わりません。
しかし実際には、定型文でお礼メールを送っている方が非常に多いため、自分が定型文を使わないだけで他の方と差がつけられるということになります。
お礼メールの大まかなスタイルは定型化しても良いのですが、同じような文章ばかり使いまわさないようにしましょう。
スラスラと書けるものではないと感じるのなら、多くの例文を参考にしてください。
初めは例文の真似だとしても、数をこなしていくうちに自分の文章を短時間で作れるようになります。
会食に対するお礼メールの書き方
ここからは具体的に、会食に対するお礼メールを作成するときの書き方のポイントをお伝えしましょう。
ポイントさえ抑えてしまえば、文章作成時の応用が効きやすくなります。
伝わりやすく簡潔な件名にする
ビジネスメールの基本でもありますが、お礼メールの件名も一目で内容が推測できるものにしなくてはいけません。
相手は毎日何十通・何百通ものメールを受け取り確認している可能性があるため、内容が分かりにくいメールはその他のメールに埋もれてしまうことが考えられるのです。
「先日のお礼」「昨日はありがとうございました」のような件名は避け、「昨日の食事会のお礼/株式会社〇〇 〇〇」などの内容と送り主が分かりやすく具体的な件名にしてください。
このような件名なら、最悪内容確認が後回しにされてしまったとしても、「〇〇さんは会食の後にいち早くお礼メールをくれた」と言う印象を残せるでしょう。
会食時におもてなししてもらったお店や料理を褒める
会食のために、先方はお店を選定・予約するなど労力と時間をかけてくれています。
自分たちの好みなども想定して、細やかな配慮をしていただいたかもしれません。
お礼メールを使って相手が選んだお店やお店の料理を具体的に褒めることで、その労力をねぎらうことができるのです。
お店の感想と言っても「お料理おいしかったです」のような表現は、非常に大まかな感想ですので避けてください。
「落ち着いた雰囲気の素敵なお店でいただいたお刺身料理が格別で」のように「お店の感想+料理の感想」を混ぜることで具体的な感想だと感じられるようになります。
自分の選択を褒めてもらうことで「また一緒に行こう」と思っていただけるかもしれませんね。
また、自分が接待をした側だとしても、お店の予約を行ったのが先方であれば、先ほどと同様にお店と料理を褒める文章を加えてください。
自分がお店の予約をした側であれば、この文章は不要です。
会食時の具体的なエピソードを加える
お礼メールが定型文と感じられないためのポイントとも言えますが、会食時の会話の内容を思い出し、お礼メールに加えると良いでしょう。
「部長からいただいたお話に感銘を受けました」など当たり障りのない会話の内容を加えると、エピソードがより具体的になります。
過剰なお世辞は良くありませんが「この会食のお礼のためだけに文章を考えている」「あのエピソードをしっかり覚えてくれている」と相手に感じてもらえるのです。
お店や料理だけでなく、その時間自体を有意義なものであったと肯定されれば、相手はよりうれしい気持ちになるでしょう。
感情表現を加える
会食時のエピソードと似た部分でもありますが、自分の「感情表現」をメールの文章に加えると、よりオリジナリティがあり印象の強いメールになります。
感情表現に活用しやすい文としては「相談に乗っていただき、うれしかったです」「素敵なお店を教えていただいたので、今度はプライベートで利用させていただきます」「楽しい時間を過ごし、つい飲み過ぎてしまいました」などがあります。
この文章だけを見ると、少しカジュアルな雰囲気だと感じられますが、その他の文章がきちんとしていれば失礼と感じられることもないでしょう。
次回お返ししたいことを伝える
大切なのは、お礼とともに「次回はこちらからご招待したい」という気持ちを伝えることです。
そのような予定がないとしても、必要な社交辞令でありマナーとも言える一言です。
「お礼をお返しする」という姿勢を伝えることが大切であると言えるでしょう。
また、自分が接待をした側であれば「またご一緒に、食事などをさせていただければうれしいです」などの一言を添え、この機会を次につなげるようにしましょう。
会食の後のお礼メールの構成
会食の後に送るお礼メールの書き方の仕上げとして、お礼メールの構成をまとめました。
この構成を覚えてしまえば、例文を使用した応用も簡単にできるようになります。
- 一目で内容が伝えられる件名/送り主が分かるような送信者名
- 相手の会社名・役職・名前
- 挨拶
- お礼
- 会食の具体的なエピソードと会食時に使用したお店や料理の感想
- 感謝の気持ち
- 締めの言葉
- 自分の署名
順番は文章によって前後しても構いません。
メール全体のバランスを見ながら文章を整えてください。
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ここからは会食の後に送るお礼メールの文例を紹介します。