ルールやマナーの多いビジネスメールは業務で使用するのには問題がなくても、自分の気持ちを上手に伝えることはとても難しいと感じるのではないでしょうか?
特に上司や取引先など目上の人にメールを使って意思表示をするのは何をどう書けば良いのか?失礼にならないか?などと考えてしまいますよね。
それでも基本的なルールとコツを覚え、慣れてしまえばビジネスメールでの意思伝達能力は、あなたの仕事を手助けしてくれるものになるでしょう。
この記事では、目上の人に気持ちを伝えるためのメールの書き方やコツと使いやすいフレーズを、シチュエーション別に紹介したいと思います。
上司・取引先など目上の人にビジネスメールを送る時の基本的なマナー
まずビジネスメールに限らず、どのような内容だとしても基本的に守るべきマナーがあります。
そのマナーが守られなければ内容以前の問題で、あなたの信頼を損ねてしまうこともあるでしょう。最低限のマナーを理解してメールを送るようにしましょうね。
メールで伝えるべき内容か直接伝えるべき内容かを判断する
そもそも今伝えようとしている内容がメールで伝えるべき事柄なのかを判断することが第一です。
例えば基本的に謝罪はメールで伝えるものではありませんし、お礼に関しても電話の方が気持ちが伝わりやすいでしょう。
また、細かいニュアンスなどを伝えたい場合にも口頭の方が意思の疎通を図ることができます。
もちろん相手が遠方にいる場合や電話よりもメール連絡を好む方もおりますし、相手と状況に合わせた臨機応変な対応が必要です。
連絡をする時間帯に配慮する
ビジネスメールは急ぎの連絡以外であれば基本的には営業時間内に送ることが良いとされています。
遅い時間帯に「明日読んでもらうために今夜のうちに送っておこう」と思ってメールを送るのも止めましょう。
相手によってはスマホに転送設定がしてあり、プライベートの時間の邪魔をしてしまうこともありますし、特に他社へのメールの場合は自分の会社の印象を悪くするものになります。
どうしても理由があって営業時間外にメールを送信する場合は「夜分に申し訳ありません」などの一文を加えるようにしましょう。
休日にも営業時間外と同じような対応を心がけます。
正しい敬語を使用する
普段から敬語を正しく使用するべきですが、特に目上の人へのメールにはよく注意して敬語を使いましょう。
先輩や上司が使用している敬語だからと意味を理解しないまま真似をするのもお勧めできません。
細かい敬語表現は自分で理解しなければ間違った使い方をしてしまうことが多いからです。
ここでは、メールでよく使用されてしまっている誤った敬語を紹介します。
×ご苦労様です→○お疲れ様です
「ご苦労様です」は目上の人が目下の人に使用する表現です。
相手を選びますし、口頭でもあまり使用しないほうが良いでしょう。
×了解しました→◯承知しました・かしこまりました・承りました
同様に「了解しました」は同僚や目下の人に使用する表現です。
知らずに使用している人が多いですが、カジュアルな表現ですので目上の人には使用しないようにしましょう。
×確認しました→◯拝見いたしました・確認いたしました
「確認しました」よりも丁寧な表現の「確認いたしました」を使うと良いでしょう。さらに「拝見いたしました」の方が相手を敬う意味合いも込められておりますので、目上の人のメールに使用するのに適しています。
×参考になりました→◯勉強になりました
「参考」とは”自分の考えを決める際の足しにする”という意味ですので、目上の人からアドバイスをいただいた時の返答としては使用できません。
「大変勉強になりました」と伝えた方が良いでしょう。
✕私的には〜・当社的には〜→私としては〜・当社としては〜
「私的には〜・当社的には〜」はビジネスメールには適していない言葉です。
「私としては〜・当社としては〜」を使うと良いでしょう。
✕よろしかったでしょうか?→○よろしいでしょうか?
「よろしかったでしょうか」は間違った敬語です。口語でも使わないようにします。
✕取り急ぎ〜まで→○取り急ぎご連絡申し上げます
文末に「取り急ぎ〜まで」はよく見かける表現ですが、あまり目上の人に適した表現とは言えません。
「取り急ぎご連絡申し上げます」と記載しましょう。
✕大丈夫です→○問題ございません
「大丈夫です」は何と言い換えるべきか迷ってしまう人が多いようです。
「問題ございません」が丁寧で目上の人に使用しても失礼のない表現です。
✕どうしましょうか?どうしますか?→○いかがいたしましょうか?いかがいたしますか?
「どうしますか」には敬意が込められておりません。
「いかがいたしますか」が適切です。
要件が伝わりやすく簡潔な件名を使用する
目上の人へのビジネスメールに限らず全てのメールに意識するべきことですが、メールを開く前に件名だけを見てメールの内容が分かるように配慮します。
特にメールを多く受け取る方はメールの件名から優先順位を決めて内容を確認していく場合が多いので、件名に気を配ることはビジネス上とても重要なことなのです。
本文は分かりやすく簡潔に
遠回しな表現を避け、丁寧でいて分かりやすく簡潔な文章を心掛けます。
急ぎの場合は返信の期限を記載することも大切です。
丁寧さを優先させてしまい要求・期限の曖昧なメールを送ることは、そのメールを受け取る方の時間を無駄に奪うだけです。
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状況別の目上の人に気持ちが伝わるメールの書き方と使いやすいフレーズ一覧
それでは、業務上想定される状況別に目上の人に気持ちが伝わりやすいビジネスメールの書き方を紹介したいと思います。
自分の伝えたい内容を考えてフレーズを組み合わせてみましょう。
上司・取引先など目上の人に何かを依頼するビジネスメール
目上の人に何かを依頼するメールを送る際、相手の忙しい時間を割いていただくという気持ちを忘れないようにし、相手にもその気遣いをメール本文に加えることで伝えましょう。
その一言によりあなたの印象が大きく変わります。
【目上の人に依頼をするビジネスメールで使用しやすいフレーズ】
・〜いただければ幸いです
・〜いただければと存じます
・大変恐縮ですが〜
・誠に勝手なお願いではありますが〜
・誠に厚かましいお願いですが
・お忙しいところ恐れ入りますが〜
・お願い申し上げます
・ご依頼申し上げます
また、目上の人に依頼をするからこそ明確に依頼内容と期日を記載し、相手に手間を取らせないように努力をしましょう。
「何をしてほしいのか」「何を回答してほしいのか」を分かりやすく記載します。
しかし「締切厳守」などの高圧的な表現は使用してはいけません。
上司・取引先など目上の人の意見を聞く・教えてもらうビジネスメール
目上の人から意見をもらうことは業務上で多々あることだと思います。
意見を聞くということは、相手を尊重しているというアピールにも繋がりますので是非使いこなせるようになりましょう。
【目上の人に意見を聞く・教えてもらうビジネスメールで使用しやすいフレーズ】
・ご相談させていただけませんか
・ご教示願いませんでしょうか(単発の問題へのアドバイスに使います)
・ご教授願いませんでしょうか(教示よりも継続的な問題へのアドバイスに使います)
・ご意見をお聞かせいただければ幸いです
などになります。
目上の人にアドバイスをもらうことは自分の成長にもなり、相手との関係を縮める手段にもなります。
丁寧かつ好印象であるように心がけましょう。
上司・取引先など目上の人にお礼を伝えるビジネスメール
感謝の気持ちを伝えるメールは、なるべく早く送ることが重要です。
打ち合わせのお礼や会食のお礼などは特に時間をおかずに送信するようにしましょう。
【目上の人にお礼を伝えるビジネスメールで使用しやすいフレーズ】
・〜いただき、ありがとうございます
・〜くださり、まことにありがとうございます
・ありがたく思っております
・感謝しております
・重ねてお礼申し上げます
・お心遣いをいただき
・ご足労いただき
・お力添えをいただき
お礼のメールでは、できる限り具体的な内容を記載して感謝の気持ちを伝えましょう。
例えば「ご丁寧なメールをいただき」「大変お忙しい中、お時間をいただき」「貴重なお時間を割いていただき」などとなります。
何度も同じ相手に送ることがあると思いますが、定型文などを使用せず毎回文章を変えて同じ文面にならないように気をつけましょう。
上司・取引先など目上の人に謝罪をするビジネスメール
本来であれば謝罪を行う際には、直接口頭で伝えるか口頭で伝えることが難しい場合にも電話を利用することが原則です。
ただしデータや数字の確認が必要な場合などは一度メールでの報告が必要な場合があります。
【目上の人に謝罪をするメールで使用しやすいフレーズ】
・大変申し訳ございません
・心よりお詫び申し上げます
・二度とこのようなミスを起こさないよう努力いたします
・何卒ご容赦ください
・まずは、メールにてお詫びいたします
・取り急ぎお知らせとお詫びまで
謝罪のメールでこそ言い訳や遠回しな表現はせず、単刀直入に現状の報告と謝罪を伝えます。
トラブルの内容と状況にもよりますが、可能であれば必ず口頭、遠方の場合は電話を使用してメールのみの謝罪にならないようにします。
そしてトラブルの解決後には同様のミスを起こさないよう再発防止策を考え、上司に報告するのも良いでしょう。
まとめ
目上の人にビジネスメールを送る時にはマナーや敬語に気を使い、なかなか自分の伝えたいことが書きにくいものですが、目上の人だからこそ相手の時間を割くことのないように的確でいて簡潔な文章を心掛けましょう。
丁寧なのは良いですが、それを重要視するあまりに回りくどい言い回しや遠回りな表現をしないようにします。
また、誤字・脱字、添付漏れなどのケアレスミスのないよう送信前には必ず内容を確認して送信をするという基本的な作業も忘れないようにしましょう。
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