コミュニケーションは、社内の課題のトップにあげられることが多いものです。なかでも、報連相ができないことは典型的な課題です。
報連相が不足・不適切であることは「相談どころかそもそも話をしない」というレベルに始まり「連絡・指示が通らないから誰も動かない」「報告が不適切なため判断が正確にできない」といった問題点を会社のコミュニケーションが抱えていることを意味しています。これらは社内の生産性を落とす原因となります。
報連相等の社内コミュニケーションを促すゲームとは
なかでも「報告や相談を活発にできるような職場の雰囲気がない」というコミュニケ―
ションの活性化が主な課題となっている職場の場合は、どうしたらいいのでしょうか。一つ
考えられる対処法として、社内でコミュニケーションに関するゲームを行うことが考えら
れます。
社内コミュニケーションに関するゲームは、ゲームを使った研修を通じて参加者各自がコミュニケーション上抱える問題点や、問題の解決方法にそれぞれが気づき・当事者意識を持つことができるようになります。ひいては、報連相がなぜ重要なのか、その理由にも気づくことができます。
ゲームのメリット
遊び感覚で活発なコミュニケーションが生まれる
ゲームにすると、メリットとして、「遊び」ということが前提になるため、気軽に参加でき、活発に発言が出やすいことがあげられます。また、ゲームにすると、体験を共有できることから、必要なスキル・知識が習得しやすいというメリットもあります。
もっと単純に考えると、コミュニケーションが活発でない職場では、お互いに初めてゲームで話をする、ということも少なくないことが想像できますので、即コミュニケーションの活性化の効果が研修で上げられる、ということもできます。
簡単かつ安価でビジネススキル研修ができる
さらに、ゲームを使うことは簡単かつ安価でできることであり、社内の企画さえ適切であれば、コストパフォーマンスの良いビジネススキル研修になります。その上、こういったゲーム形式のビジネススキル研修は、参加者の職位・職種にかかわらず参加することが可能ですので、多くの受講者を巻き込むことができる企画として魅力的ということができます。
ゲームのデメリット
進行役が必要
ただし、このゲームについて留意すべき点は、それなりのスキルを持った進行役が不可欠であることがあげられます。コミュニケーションが活発であることはこの方法のメリットですが、まとめ役・交通整理役がいないと、目的が見失われがちな危険があります。
そこで、人事部の人材開発や研修に関する専門家など。ある程度経験とファシリテーション能力のある進行役が不可欠であると考えられるのです。
実施=実務につながるわけではない
それと、もう一つ留意するべき点は、実施したからと言って、実務上研修の成果が活かされることを保証するものではない点です。
各自コミュニケーションが活発でない、という問題点や、気を付けて改善すべき点と方法については、研修で学び、その場では一定の効果が出るでしょう。
しかし、研修全般に言えることですが、仕事の実践の場での定着には時間がかかることが多いものです。この方法も例外ではなく、研修を繰り返すことや、フィードバックなどの工夫によりはじめて定着することを心得ておきましょう。
報連相の力を鍛えるゲームを使用する際のポイント
ゲームの目的を明確に伝える
ここでのゲームの目的は、報連相を活発に行うことができるようにすることである、と進行役が明確にすることが必要です。そうでないと、ゲームであることに流され、参加者がゲームの勢いだけに乗るような傾向があることは否定できません。
報連相のルールを明確にする
さらに、報連相のルールを明確にすることは、どうすれば報連相ができるようになるのか、テクニックを求める層に対して直接働きかける材料になります。
ルールを明確にするためには、あいまいなルールで参加者を混乱させないか、検討が必須になります。時間をかけて検討し、準備した結果「このルールを使えば、面倒な報連相も簡単だ」、と思わせられるほどに明確になれば、研修の効果は上がりやすいといえます。
例えば、若手会社員の中には報連相を苦手とし、報連相のやり方がわからないと言う方が多くいます。やり方について、とりわけわからないところを聞くと「報告のタイミングがわからない」「話がまとまらない、要点をおさえて伝えられない」の2点が頻繁に上げられます。
そこで、ゲームの中では、タイミングはメモがまとまったらすぐ、話すときには5W2Hのチェックシートへの記入と相手方のニーズを記入、その通りに話す、などとしておくのはよいアイディアです。これで「ゲーム通りにするだけでも自分の今の状態よりはよくなる」と思われればしめたもの、といえるでしょう。
上司役は「おひたし」を意識する
報連相に対して、おひたし、とは何でしょうか。
お・・・怒らない
ひ・・・批判しない
た・・・助ける
し・・・指示する
のことです。
これらは報連相を行う部下に相対する望ましい上司の態度・行動として知られています。ゲームの中では、実際の職位にかかわらず部下が「上司役」、上司が「部下役」となっても構わないわけです。
しかし、ポイントは、上司役に必要な態度を共有することにより、報連相が部下だけの問題でなく、職場の雰囲気を作る側の問題点であることも参加者全員に意識させることです。
新人研修でも簡単にできる報連相ゲーム
では、具体的にどういうゲームで報連相を学ぶかですが、新人研修から使え、無料でできる簡単なゲームをご紹介します。