資料作成はビジネスにおいて必須業務の1つ。
にもかかわらず、多くの人が資料の正しい作り方とコツを学んでいません。時間をかけて資料作成をしても、結局自分流で作った資料は内容が伝わらず、「こんな資料は頼んでいない」と上司に突き返されてしまうことだってあります。
資料作成のコツを抑えることで、作成スピードが上がるとともに、相手に起こしてほしいアクションを確実に起こせるようになります。
この記事では、資料の目的設定から細かい作成技術まで幅広く解説していきます。あなたの資料作成に役立てていただければ幸いです。
そもそも良い資料とは
良い資料とは「見やすい」「わかりやすい」「伝わる」という3つの要素を持っています。資料が見やすく、わかりやすいほど、内容がスムーズに読み手に伝わり、目的を達成しやすくなります。
そのため、ただ情報が網羅されていれば良い資料になるわけではありません。むしろ、一番伝えたいことがぼやけてしまい、「結局何が言いたいのかわからない」という結果になってしまいます。シンプルに内容がまとまっており、過不足がない資料こそ「良い資料」といえます。
わかりやすく見やすい資料作成のコツ
どうすればわかりやすく、見やすい資料を作ることができるのでしょうか?
この章では具体的な資料作成のコツを紹介していきます。
わかりやすい資料作成のコツ
わかりやすい資料を作るためには、文章力やデザインのセンスは必要ありません。
「資料の目的を決める」「それに沿った構成を作る」
これを行うだけで、資料全体に一貫性が生まれ、劇的に資料の品質が上がります。文章や図など資料のパーツを見やすくするのも大事ですが、何はともあれ目的設定と構成をマスターすれば、資料作成において1段上のステージに上がることができます。
目的(=ゴール)を決める
資料作成の大前提として、資料作成の目的、つまりゴールを決めましょう。
Wikipediaで「資料」という言葉を調べてみると、
それを使って何事かをする、もとになるもの。「生活の―」。特に、研究・判断の基礎にする材料。データ。
引用元:Wikipedia
とあります。
つまり、資料とは「相手に何かのアクションを起こさせる」という目的を持っているのです。
あなたの資料によって、相手にどんなアクションを取ってほしいのかが明確になっているでしょうか?
報告書であれば、読み手が現状の把握を正確にできるように。
提案書であれば、読み手の同意や協力を引き出すために。
また商品のプロモーションであれば、聞き手に「買いたい」と思わせるように。
このように、資料作成の目的をはっきりとさせることで、書くべき情報と要らない情報の整理をつけることができます。
目的に沿った構成を手書きでじっくり作る
目的が決まったら、それに沿った構成を手書きで作っていきます。わかりやすい資料を作る人は、必ず構成に時間をかけます。資料作成は「構想が8割、作業が2割」とまで言われているくらいです。いきなりパソコンを開いて資料を作成し始めても、リサーチしながら少し作って、を繰り返していると、途中で主張がぶれたり、冗長な資料になってしまいます。
手書きであればあまり文量も増やせないでしょうから、必然的に最も大事な内容にフォーカスすることができます。まだ慣れていない人は、他の人が作成したわかりやすい資料の構成を参考にしましょう。慣れてきたら、提案書、請求書、報告書など、資料のタイプによってフォーマットを決めておくのもおすすめ。後々再利用ができ、作業が楽になります。
必要な情報収集を適切に行う
目的設定の段階において大切なのは、適切な情報収集です。コツは「資料の目的」と「読み手が知りたがっていること」に基づいて情報収集をすること。
例えば、店舗の月間売上についての報告を求められているのに、年間売上を詳細に記録した報告書を作成したとしたらどうでしょう。どんなに内容が詳細で優れていたとしても、読み手が知りたがっている情報と異なっているため、会議資料としての目的を果たせずに終わってしまいます。
このように、目的設定は資料全体の方向性を決めるため、ここで間違ってしまうと、あとに行う作業のすべてが無駄になります。資料の目的を明確にし、無駄のない情報収集を心がけましょう。
1枚のスライドには1つのメッセージだけ
資料作成者はついつい自分の知っているすべての情報を資料に載せてしまいがちですが、実際には案外少ない情報で内容が伝わります。
パワーポイントでプレゼンする場合は、「1スライドに1メッセージ」を徹底しましょう。これを徹底することで、1スライドの情報量がコンパクトになり、文字や図も大きく見やすく作成でき、情報をダイレクトに相手に伝えることができます。
見やすい資料作成のコツ
「目的設定が大事」という前提をしっかり踏まえた上で、今度は資料を見やすくするための様々なコツを紹介します。