コミュニケーションスタイルの違いを意識する
まず、英語と日本語のコミュニケーションスタイルの違いを知りましょう。
島国である日本は単一国家であり、同じ言語、同じ考え方の人が集まっています。「以心伝心」や「空気を読む」といった言葉からもわかるように、Yes,Noをはっきり言わずとも言いたいことが伝わる文化なのです。
一方、英語は全く違う性質を持っています。例えば、英語圏であるアメリカは多種多様な民族が集まっており、母国語も考え方も人それぞれです。その中で意思を伝え合うためには、「Yes,Noがはっきりしている」「最初に結論が来る」など、自分の意思をはっきり伝えなければ生き残れません。
英語資料を必要とする人たちにはそのような背景があることを踏まえ、英語資料を作る際には「なんとなく察して」という表現を排除することを心がけましょう。Yes,Noをはっきりとし、シンプル、簡潔な表現を追求すると、ダイレクトに内容が伝わる資料を作成できます。
箇条書きでは主語や冠詞を省く
英語資料で箇条書きを使用する場合、「主語や冠詞を省く」というルールがあります。これらを省く事で、シンプルに表現できます。
「I」や「You」などの主語、「a」や「the」といった冠詞は使わないようにしましょう。
品詞等の表記方法を統一する
同じく箇条書きのルールですが、「箇条書きの品詞は統一する」というものがあります。
動詞・名詞・代名詞・形容詞などの言葉の区分を「品詞」と言いますが、この品詞を統一するのが一般的です。
例として、次の箇条書きを見てください。
Students don’t eat lunch at school cafeteria for the following reasons:
「生徒たちは以下の理由から学食でランチを取りません」
・too expensive「値段が高すぎる」
・too bad「味がまずすぎる」
・too narrow「食堂が狭すぎる」
この例では、箇条書きの項目をすべて「too~」という形容詞で統一しています。途中で動詞や名詞の項目を入れるのは英語資料ではNGとしましょう。
ビジュアルで訴求する
英語に慣れていなくても、ビジュアルで訴えかけることを意識すると相手の理解を得ることができます。日本人相手であっても、資料に視覚的効果を盛り込むことは大切です。言語的な壁があるのであれば、なおさらビジュアルは内容を理解してもらうカギになってきます。
グラフやチャート、箇条書きなどを活用し、読み手が伝えたいことを瞬間的に理解できるよう心がけましょう。
資料作成に関する英語表現を正しく理解しましょう
ここまで、「資料作成」という英語の表現、及び英語での資料作成をする際のポイントを見てきました。
カギとなるのは、「なんとなく伝わる」日本語と、「はっきり言わなければ伝わらない」英語の違いを理解することです。
一口に資料といっても、英語では微妙にニュアンスが違います。紙資料であれば「document」、パワーポイントの資料であれば「PowerPoint presentation」など、はっきり特定してあげることで、聞き手との理解の齟齬が発生しにくくなります。
また、資料作成を依頼する際に「make materials」と指示するのと、「prepare materials」と指示するのでも、受け取り方が変わってきます。指示をする際にはなるべく具体的に指示してあげましょう。
同じ理由で、英語資料を作成する際も、日本語をそのまま翻訳しても伝わりません。もし社内に外国人の社員がいるのであれば、一度作った資料を見てチェックしてもらうといいでしょう。「これで意味が伝わるか」「理解できるか」と聞くことで、彼らとのコミュニケーションにもなり、あなた自身の英語資料の作成力もぐんと上達することでしょう。