社内外で応用が利くビジネス用語とは
仕事を円滑に進めるためには、社内外で出てくるビジネス用語を理解しておくことは大切です。
業種によっては、多くの専門用語を覚えなければいけなかったり、新しい用語が出てきて都度覚えなければいけない場面があるのがビジネス用語の特徴であり、難しさでもあります。
しかし、一般的に日常で使用するビジネス用語はある程度決まっています。
受験勉強のように一気に徹夜をして知識を詰め込むというよりは、日常的に自身が使用する範囲のビジネス用語の理解を深めていくことが、ビジネス用語を習得していくポイントになってきます。
今回は応用編として、主にメール上での「挨拶」、「謝罪」、「依頼」3ケースを解説していきます。
メールの印象に差が出るビジネス用語を解説
メールは文面でのコミュニケーションとなりますので、本来伝わるものもうまく伝わらないということも発生してしまいます。そのため、メールの送信前に1度考え、文章を練ることが必要となってきます。
メールは受け取った文章を何度も読み返すことができ、受け取り方によっては良い印象にも悪い印象にもなるため、社外や上司に送るメールに関しては特に注意しましょう。
ただ、電話やチャットのコミュニケーションツールと違い、文章の送信を自身のタイミングでおこなえることから、分からないビジネス用語でも調べてから、ある程度作りこんだ文章で返信することができるというメリットもあります。
挨拶文の書き方
取引先とメールをするときに、どんな挨拶の仕方にすればいいか戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか。
一般的にビジネス用語としてある程度テンプレートのような特定の形が決まっていますので、その枠にはめて考えていただくだけで大丈夫です。
基本形は、「お世話になっています」+「株式会社〇〇の〇〇です」の形から始めて、
「はじめまして」と続けても良いですし、既に対面していて会話している相手であれば「先日はありがとうございました」と続けるだけです。
挨拶文に関しては、ビジネスの基本として、注目されにくい部分ではあるものの、挨拶が抜けてしまうと、常識が無いと判断されてしまう恐れもあります。
簡易的なメールであっても、通常の会話のコミュニケーションと同様に、メール冒頭での挨拶は忘れないように注意が必要です。
挨拶文のサンプル
お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
先日は、ありがとうございました。
〇〇の件でご相談したくメールを差し上げました。
~以降 本題~
挨拶文で良く出てくるビジネス用語
平素(へいそ)
日常、普段などに置き換えて使用されることが多いのが、平素です。
「平素より多大なるご愛顧を承り御礼申し上げます。」のように少し硬い文章で使われますが、その理由は、顧客や目上の方に向ける文章に使われる言葉であるためです。
特にメールの文面として、お世話になっている顧客に対して使用頻度が高くなる言葉でもありますのでビジネス用語として理解しておきましょう。
格別(かくべつ)
普通とは違うこと、特にすぐれていること。などの意味を持つのが格別(かくべつ)です。
「格別のご厚情を承り~」のように、普段から大変お世話になっているという意味を込めて使用されます。「いつもお世話になっております」よりも、特別感を出したり、かしこまった印象を持たせる際に使用できる言葉です。
主に得意先の担当者とのメールで多くみられる場面が多いですが、社外の相手に対して使える万能なワードなので、積極的に使用しても問題ありません。
ご愛顧(ごあいこ)
ひいきにすること、目をかけることを指すのがご愛顧です。
日頃からお世話になっている得意先や取引先に対して使用される言葉です。頭に「ご」を付けることによって相手を敬う意味合いを持たせ、感謝の意味合いを強くします。
文面のどこにでも使用でき、基本形は「ご愛顧いただき」「ありがとうございます」がセットで使用されることが多いです。
謝罪文の書き方
メールでの謝罪文に関しては、相手の表情が見えない分、文面にミスが無いように注意して書くことが必要となってきます。
謝罪文のポイントとしては、正しい情報を正確に伝え、誠意をもって謝罪をすることです。
まずは、「大変申し訳ございません。」「大変ご不便おかけし申し訳ございません。」「ご心配をおかけし申し訳ございません。」と相手への謝罪をおこないます。
どのようなことが発生していたのかを、可能な限り正確にメールに記載して相手に伝えるという意識が必要となってきます。
大きく分けて、以下のような4つのポイントに分けられますので、謝罪文の作成が必要になった際には参考にしてみてはいかがでしょうか。
・ご迷惑をかけてしまったことに対して謝罪をする
・どのような問題が発生したのか正確に記載する
・いつ、なぜ問題が発生したのかを記載する。
・今後の改善策、または改善している場合その詳細を記載する
謝罪文のサンプル
株式会社〇〇 〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
このたびは大変ご迷惑、ご心配おかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
〇月〇日ごろ、弊社のシステムに障害が出てしまい〇〇の受注ができない状況となっておりました。
一時的なシステムトラブルが原因となっておりましたが、〇月〇日に復旧し、現在は正常に利用いただける状況となっております。
今後は、トラブルの再発防止に努め、安定したサービス提供に取り組んでまいります。
何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。
謝罪文で良く出てくるビジネス用語
謹んで(つつしんで)
謹んでは、慎重にする、控えめにするという意味を指します。
メールの謝罪文では「謹んでお詫び申し上げます」のような使い方をされることが多く、相手に敬意を持って、かしこまった文章を作りたいときに使用したいワードです。
特に謝罪の文章では、相手に誠意を伝えるために少しでも丁寧な文章を作成するために使用することが一般的になっています。
不手際(ふてぎわ)
手際が悪いこと。処理や結果がまずいことを不手際(ふてぎわ)と言います。
使い方としては、「不手際があり申し訳ございません」というように、こちらの非を認める際に使用されます。
相手方へこちらの処理のどの部分が良くなかったのか、伝える際の処理のまずさを「不手際」と表現することで誠意を伝えるという意味合いでも使用されます。
陳謝(ちんしゃ)
ある物事について事情や訳を述べたうえで詫びることを陳謝と言います。
謝るという意味では「謝罪」と同様の使われ方をしますが、事情や訳を述べたうえで謝罪をした場合は、陳謝となります。
ただ謝るのか、理由を述べて謝るのかという違いがありますので、謝罪と陳謝の違いについてはしっかり区別しておきましょう。
依頼文の書き方
メールは正確な日時とともに文面が残るため、証拠として残せる大切なツールとなり、何かを依頼する際のツールとしては最も適しています。
依頼文を書く時に考えなければいけないのは、「依頼の内容を正確に」、「相手の立場を思いやる」という2点を考える必要があります。これはメールの性質上、こちらからの一方的な依頼になってしまわないようにするためです。
相手へ依頼をする以上、こちらが要望としている内容や条件の詳細を丁寧に伝えることを心掛けます。よくわからない依頼と判断されてしまっては断られてしまう可能性も出てくるので可能な限り、先手を打ってコミュニケーションを取ることを意識します。
また、相手もほかの仕事を抱えて多忙である可能性もあります。メールの所々に「お忙しいところ恐縮ですが」、「お手数をおかけしますが」など、クッション言葉となるフレーズを入れるようすると、丁寧な依頼文の作成ができます。
依頼文のサンプル
株式会社〇〇 〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
今回、御社の〇〇サービスを拝見し、ぜひ弊社のシステムへ導入を検討したいと考えておりました。
つきましては、〇〇サービスの概要をいただきたくメールさせていただきました。
ご多忙の中、お手数おかけしてしまい大変恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
依頼文で良く出てくるビジネス用語
直近(ちょっきん)
一番近い、一番最近という意味を持つのが直近です。
例えば、「直近の月曜日」は今から未来の一番近い月曜日を指します。直近の予定を聞いたり、直近の売上データが欲しいときに使用するワードです。都合の良い日はいつか尋ねる際のスマートな言い方として使用できます。
検討(けんとう)
物事を色々な面から調べ、良いか判断すること。
メールでは、「ご検討いただけないでしょうか?」「ご検討のほどよろしくお願いします」などと使用される場面が多いです。
この内容で判断してほしいという際に使用され、その言い方をより丁寧な言い方に置き換えたものです。社内外を問わず、メールで何かを訪ねる際に使用できる便利なワードです。
ただ、目上の方や顧客へのメールで使用されるものですので、部下に対して使用すると堅い文章になりすぎるという側面もありますので注意が必要です。
ビジネス用語を覚えるのに「今更」はない
よくわからないビジネス用語が出てきてドキッとしたという経験を持っている方は意外と多いのではないでしょうか。
新しいインターネット上のサービスや開発がおこなわれるにつれて、ビジネス用語も日々増え続けているため、今更ビジネス用語を覚えるのは遅いという考え方ではなく、日常的に少しずつでもレベルアップしていくような考え方をすると良いでしょう。
その場で出てきたビジネス用語を知らなかったと落ち込むよりは、都度身の回りで出てきたビジネス用語を1つ1つ知識として積み重ねていくという考え方がビジネス用語をマスターする近道となっています。