1.一文は短く簡潔に
基本ルールの1点目は、一文を短く簡潔にまとめることです。まずは、以下の2つの文章を読んでください。
例1:私の特技は、お菓子を作り、プレゼントすることであり、友人の誕生日にお菓子を持っていくと喜ばれます。
例2:私の特技は、お菓子を作り、プレゼントすることです。友人の誕生日にお菓子を持っていくと喜ばれます。
例1では、一文に多くの情報を詰め込み過ぎてしまい、文章が複雑になってしまっています。長い文章は、読み手にとって読みにくく感じさせます。そのため、一文ごと短くまとめることで、情報を簡潔に伝えましょう。
2.結論を最初に書く
基本ルールの2点目は、結論を最初に書くことです。まずは、以下の文章を読んでください。
例1:地球温暖化は、北極の氷が溶けることで、氷の上や冷たい海で暮らしている動物が生きられなくなり、地球全体の生態系が崩れてしまいます。更に、海面上昇によって、水没してしまう島国がでてくる可能性があります。そのため、地球温暖化の早急な対応が必要です。
例1では、具体例を最初に述べています。そのため、最後まで読み進めないと、読み手はこの文章が「早急な対策が必要」であるという訴えを理解できません。この場合は例2のように、冒頭で結論を述べ、その具体例を後述しましょう。
例2:地球温暖化は、早急な対応が必要です。なぜなら、地球温暖化によって北極の氷が溶けることで、氷の上や冷たい海で暮らしている動物が生きられなくなり、地球全体の生態系が崩れてしまうからです。更に、海面上昇によって、水没してしまう島国がでてくる可能性があるためです。
3.主語と述語を対応させる
基本ルールの3点目は、主語と述語を対応させることです。以下の例を読んでください。
例1:私は美術館に行くのは初めてで、素晴らしい作品が展示されていた。
例1は、「私は」の主語に対し、「展示されていた」が述語になっています。主語と述語が対応していないため、例2のように「私は〜見れた」と変えましょう。
例2:私は美術館に行くのは初めてで、素晴らしい作品を見れた。
また、主語と述語が対応しない問題は文章が長いことでも起きてしまいます。書いているうちに、書き手が主語を見失ってしまうからです。できるだけ、一文を簡潔にまとめ、主語と述語を離さないようにしましょう。
4.原因と結果の対応を正しく
基本ルールの4点目は、原因と結果を正しく対応させることです。まずは、以下の例を読んでください。
例1:練習をし過ぎたため、試合に出場できなかった。
例1の場合、原因は「練習をし過ぎ」た、結果「試合に出場できなかった」となっています。しかし、練習をし過ぎたことが試合に参加できなかったという因果関係は成立しません。例1は、原因となる情報が不十分です。
例2:練習をし過ぎ、足を怪我したため、試合に出場できなかった。
例2のように、原因の「足を怪我した」と結果の「試合に出場できなかった」ことがきちんと対応しています。 続きを見る
文章と文書の違いを書き方や使い方を例文を交えて解説
文章作成能力を上げるためトレーニング
文章作成能力は、毎日トレーニングを積み重ねることで向上できます。こちらでご紹介するトレーニングを行い、文章力を磨きましょう。
インプットを増やす
まず、最初のトレーニング方法は、インプットを増やすことです。インプットを増やして1つでも多くの有益な情報を集めて取捨選択し、文章に反映させることで、価値の高い文章を作成することができます。
インプットの方法は、主に2種類あります。まず1つの方法は人から情報収集することです。専門家に会う、セミナーに参加するなど、人から情報収集することで、信頼性の高い情報を得ることができます。人から情報収集する際は、誰から、何を、どのように聞くかを意識することで効率的に情報収集することができます。
もう1つの方法は、本・Webメディアから情報収集することです。本は情報を深掘りしたい時に、Webメディアは短時間で効率的に情報収集したい時に役立ちます。ただし、Webメディアは匿名で投稿されていることもあるため、必ず情報の信ぴょう性を確認しましょう。
人と話す
人と話すことでも文章力を鍛えることができます。人と話す機会を増やすことで、相手に理解しやすい文章構成をつくって言葉にするチャンスが増えます。文章を書くときに限らず、人と話す時にも、相手の立場に立ち、理解しやすい言葉や流れを意識することで、文章力向上に繋がります。
日記をつける
日記をつけることも文章力の向上に繋がります。文章力は実際に書くことで向上し、毎日日記をつけることで、文章を書くことが習慣化されるからです。
ただし、ただ何となく日記をつけていては、文章力は大きく向上しません。上述の文章を書くための基本的なポイントをおさえ、自身の文章の問題を改善することを意識しましょう。
文章力講座を受ける
文章力を鍛えるために、講座を受けることも有効的です。講座のメリットは、文章を書くプロから直接教えてもらうことができ、その場で質問できます。さらに、講座によっては、実際に書いた文章を添削してもらえます。プロから直接指導を受けたい方は、文章力講座を受けることをおすすめします。
文章能力の検定を受ける
文章力を向上させるために、検定を受けることも1つの手です。検定に向けて、勉強していくなかで、文章力を鍛えることができます。
なお、検定によって出題内容が異なります。例えば、日本漢字能力検定協会が主催する文章読解・作成能力検定は、文章でのコミュニケーション力、論理的思考力の向上を目的として実施されています。試験では、基礎力、読解力、作成力の3分野から出題されるため、書く能力だけでなく、読む能力を培うこともできます。
検定の受験を検討している方は、公式サイトで、詳しい試験内容や合格基準を確認しましょう。
文章作成能力の向上は日々の積み重ね
文章作成の方法と文章作成能力を上げるトレーニング方法をご紹介しました。文章は、小説やブログ記事など、掲載する媒体ごとに書き分けなければいけません。そのためには、まず書く目的を明確にし、相手の立場に立って、文章構成をつくる必要があります。さらに、ビジネス文書などは説得力を高めるために、主張の根拠となる情報を集めることも重要です。
さらに文章作成能力を高めたい方は、日々のトレーニングも行いましょう。人と話す、日記をつけるなど、日常生活のなかで気軽にトレーニングを行うことができます。文章作成能力は、日々のトレーニングの積み重ねで大きく向上する可能性があります。