情報共有の意義
そもそも、情報共有をする目的を正しく理解できているでしょうか。
情報共有の目的を理解していないと、情報共有をしない人に必要性を説明できません。
また、情報共有を行わない場合の弊害を提示することで、情報共有の行動を促しやすくなります。まずは、情報共有の目的とその弊害についてみていきましょう。
情報共有の目的
情報共有をする目的は、主に以下の4点が挙げられます。
・組織の成長のために必要な情報を取捨選択する
・ナレッジの属人化を防ぐ
・コミュニケーションを活性化する
・業務の生産性を上げる
情報共有を行うことで、個人が保有している情報に対してメンバー同士で議論し、共有した情報の中から組織の成長にとって必要な情報を取捨選択することができます。
また、ノウハウやスキルを共有することで、属人化を防ぎ、会社の生産性の効率化を図ることができます。
さらに、情報共有はコミュニケーションを活性化する目的もあります。コミュニケーションの活発化は新たな発想にも繋がるため、会社や組織の成長に欠かせません。
このように、情報共有は、会社や組織に大きなメリットをもたらす目的のもと行うべきだと理解しておきましょう。
情報共有をしないことで起こる弊害
情報共有は、上述の目的のために正しく機能していないと、以下のような弊害が発生します。
・進捗状況やトラブルが把握できない
・作業効率の低下
・人間関係の悪化
特に、トラブルが把握できないことは深刻な問題です。トラブルが発生したにもかかわらず、情報共有ができていないために、上司が把握することが遅れ、結果的に会社に大きな損失をもたらす可能性があります。
また、情報共有ができていないと、既に誰かが経験している仕事を一から進めてしまうことが発生しやすく、作業効率が下がります。
更に、情報共有不足は、メンバーそれぞれの仕事が共有されない状況を生み、コミュニケーション不足につながりやすいです。お互いがどのような仕事をしているのかが共有されないと、仕事に対する不信感が生まれる等の弊害に繋がります。
なぜ情報共有をしないのか
情報共有は、仕事を進めるうえで非常に重要です。しかし、重要なことにもかかわらず、情報共有をしない同僚や情報をくれない上司がいるために、情報共有が進まないケースが見られます。なぜ情報共有をしない人がいるのでしょうか?
情報共有しない人の心理
情報共有が円滑に進まない原因に、以下のような社員の意識の問題が挙げられます。
- 情報共有の必要性を感じていない
- 情報共有に抵抗を感じている
- 情報共有を面倒に感じている
- 情報共有の捉え方が異なる
情報共有の制度が整備されていても、実際に行う社員の意識が低ければ、情報共有は進みません。情報共有を円滑に進めるためには、まず情報共有をしない人の心理を知り、その原因を突き止める必要があります。ご自身の組織には、どのパターンが当てはまるのか考えていきましょう。
1.情報共有の必要性を感じていない
情報共有しない人の心理の1つに、そもそも必要性を感じていないことが考えられます。情報共有ができない人は、情報共有の重要性を具体的にイメージできず、自身や会社へのメリットを感じられていない場合が多いです。また、情報共有の必要性が感じられないと、情報共有の優先順位が低くなり、日々の業務に追われ、報告や共有が後回しになります。
情報共有の必要性を感じていないメンバーが組織にいると、上司や同僚は重要な情報を把握できず、プロジェクトが円滑に進まないばかりかトラブルを引き起こす可能性もあります。
情報共有を徹底するためには、組織全体に重要性を認識させることがポイントです。
2.情報共有に抵抗を感じている
情報共有をしない人の心理の2点目は、情報共有に抵抗を感じていることです。具体的には、「進捗の遅れを報告するのが嫌」「情報共有すると、上司に怒られる」などの心理状態が挙げられます。情報共有に抵抗を感じている社員がいる場合、自ら進んで情報共有ができる環境づくりが大切です。
3.情報共有を面倒に感じている
情報共有をしない人の心理の3点目は、情報共有を面倒に感じていることです。この場合は、情報共有に手間がかかっている可能性があります。
情報共有の作業の負担が大きいと、情報共有を積極的に行わなくなってしまいます。特に忙しい部門においては、手間がかかる情報共有が重荷になっている可能性があります。
4.情報共有の捉え方が異なる
情報共有をしない人の心理の4点目は、情報共有の捉え方が異なることが考えられます。これは、日本人と外国人の間で起こることが多く見られます。例えば、日本人は完璧な準備をしてから業務を進めるため、準備段階で情報共有が多い傾向にあります。
一方、外国人の場合、まずは着手し、進めながら調整するため、作業に着手してから情報共有が多い傾向にあります。そのため、情報共有を行うタイミングが異なるため、お互いに「なぜ情報共有してくれないんだろう」という、疑問が生まれてしまいます。
情報共有をしない原因
ここまでは、情報共有をしない人の心理をご紹介しました。では、なぜ情報共有をしたくない心理が生まれるのでしょうか? その主な原因は、仕組み・ルールに問題がある場合と意識に問題がある場合の2点が考えられます。
仕組み・ルールに問題がある
情報共有をしない原因に、仕組みやルールに問題があることが挙げられます。例えば、情報共有をメールで行わなければならず、メール作成に時間かかる場合、社員は情報共有を面倒に感じてしまいます。
さらに、ルールが曖昧である、もしくは細かすぎる場合も、社員は積極的に情報共有を行おうとしません。情報共有が進まない場合は、一度仕組みやルールを見直しましょう。具体的な方法については、「情報共有してもらうための方法」にて後述します。
意識に問題がある
次に、社員の意識に問題があり、情報共有が進まないことが考えられます。例えば、上述のように情報共有することで怒られる等、遅れを申告したくないなど感じている可能性があります。
一方、ノウハウを盗まれたくないと思っていたり、自分だけが情報を保有していることに対して優越感を感じたりしている社員もいるかもしれません。
情報共有に対して、メリットや重要性がきちんと理解できていないと、仕組みやルールを改善しても情報共有は進みません。会社にとって情報共有がいかに大切かを認識してもらう必要があります。
情報共有してもらう為のおすすめの方法
情報共有を徹底するためには、仕組み、ルール、社員の意識の3点から改善をする必要があります。具体的には、以下のような改善策が挙げられます。
- 情報共有ツールを導入し、負担を減らす
- ルールを明確にする
- 社員に情報共有の重要性を認識してもらう
情報共有を進めるためには、まずは原因を知り、その原因に応じた対策を講じる必要があります。それぞれの原因に対する対策について、以下で詳しくご紹介します。